デスティニーだあああああ!(歓喜)
ネタバレしか書いてありませんので、読む際はご注意を。
ガンダムSEEDシリーズの続編映画が約18年の歳月を経て公開されたということで見てきました。好きなガンダム作品は数多くあれど、一番熱を注いでいたのは間違いなくSEEDですね。ガンプラを作ったのも、ガンダムVSガンダムで多く使用したのも、学生時代に友人たちと語り合ったのもSEEDのMSでした。
本当は公開日に行きたかったのですが、色々と予定が立て込んでいて行けず、公開から一週間後に見に行くことになってしまったわけですが、それでもお客さんの数はかなり多かったですね。意外だったのはおじさんばかりではなく、高校生くらいの男の子や女性がいた点。てっきりおじさん達の同窓会のようだろうと思っていたので、結構驚きました。まあ、私の両隣はおじさんだったわけですが...。
さて、映画の中身について触れていくと、序盤からシンがキラに懐きまくりでびっくりしました。本編では殺し合う中で、最後には和解こそしたものの、こんな仲良くなるのかと。アスランが隊長の時は常に噛みついてくる駄犬だったのに、すっかり忠犬になっちゃって...。いやもうシンプルにシンが可愛かったですね。
キラはキラでラクスと一緒になることで少しは大人になっているのかなと思いきや全然変わっていなくて、相変わらず幼く独りよがりな男の子でした。いや、安心した。安心した。
最近、十数年の時を経て公開された続編映画の主人公が軒並み成長していて辛いんですよね。たしかに成長は良いことですし、物語的にも盛り上がりますが、私はやっぱりあの頃のままのガキであってほしいと思うのです。お前もガキなら、私も安心してガキのままあの頃の物語の続きが見られる。置いていかないのでほしいのです。
で、いつまでもガキなキラを正す役割をアスランに与えるというのもかなりSEEDらしい自然な流れで良かったと思います。普通なら男の子が二人で殴り合って和解という流れなのに、アスランがキラのパンチをすべて躱し、自分のパンチは的確にキラにヒットさせるというのがまた…実にアスランらしい。でもそれが「頼れ」という言葉に説得力を与えているのも事実で、この辺はよく出来ているなぁと感じましたね。
ファウンデーションと敵対するまでの運びは正直少し雑で、結局のところ強引に対立関係を構築してしまうのは「うーん」となりましたが、尺やSEEDの続編ということを考えるとまあ仕方ないかなとも思います。アイギスについても新キャラなのに掘り下げが甘く、前半だけ見るとただのクソ女にしか見えません。まあ最後までクソ女なのは違いないですが...。
女といえば当時好きだったルナマリアも登場していましたが、やっぱりイイ女でしたね。当時はなぜシンに...と思っていた時期もありましたが、違和感のない素敵な関係になっていて笑みが零れました。
前半の感想としてはまだまだ準備の段階だなと。その準備も尺の関係で省かれている手順がいくつかあって、ぶっちゃけると大丈夫かと心配になりながらスクリーンを見ていましたが、そんな心配は不要でした。
ファウンデーションの宣戦布告からはもうエンジンが一気にかかって、物語が盛り上がっていくと共に懐かしい顔も出てきます。中でもイザークの登場には痺れましたね。何を隠そう私が一番好きなキャラクターだからです。ちなみに一番好きなMSも彼の乗っていた「デュエル」です。三馬鹿戦が大好きですよね、盾パージして突っ込んでいくのが本当にかっこいい...。
だからこそ「まさかまだこんな古い機体を残してるとはな...」からの「イザーク・ジュール、デュエル、出るぞ!」は効きました。たぶん変な声も出ましたし、人目も気にせずガッツポーズもしました。少し涙も出ました。それくらい嬉しかったですね。
「忘れちゃいないさ」
「だからこそもう二度と繰り返すわけにはいかんのだ」
のやりとりも沁みますし、本当によくこんなピンポイントなシーンを用意してきたなと。イザークファンとしては作中で一番心が震えたシーンでした。
メインキャラクタ―の活躍どころに触れると、やっぱりシンがデスティニーで無双するのは良かったですね。敵に対して「ジャスティスだから負けたんだ!」とか言ってるのはさすが吹き出しましたが。どれだけアスラン嫌いなんだキミは。
まあ分身はやりすぎた感ありましたが、ブラックナイトをまとめて葬ってくれたのは評価できます。SEEDというかガンダムシリーズ全般に言えることですが、不純物を生んだらしっかり消し去ってくれるのがいいですよね。オルフェやイングリットは生きててほしかった等の意見をちらっと見たりもしましたが、そんなはずありません。本当にSEEDという物語を追ってきた人間であれば、そんな言葉は出ないでしょう。
また、アスランVSシュラの対戦カードもかなり面白かったですね。シュラはブラックナイトの中では好印象なキャラクターで、実際に他の雑魚とは違いシンプルに強かったのが凄くいいです。故に決着があまりにも情けなくて泣けますが、ある意味シュラというキャラクターらしい末路とも言えます。真面目が過ぎたんですよね。おそらくアイギスを懐柔する際も心を読んで導いただけで、変な関係にはなっていないのかなと。
不憫すぎる奴です。
不憫といえばイングリットもかなり不憫なキャラクターでしたね。鳥籠の中で育ったが故に自らの宿命と感情の板挟みになって苦しむ。非常に私好みのキャラクターです。彼女の恋は報われませんでしたが、好きな人の傍で共に息絶えるというのは、彼女にとってこの上なく幸せな結末だったのかなと。
オルフェは最期までラクスに執着していましたし、死ぬ瞬間にイングリットの大切さに気付いたとかもないでしょう。でもなくていいんです、振り向いてもらえなくてもいいんです。それがイングリットというキャラクターの立ち位置であり、美しさであったと私は思います。
振り返ってみると、新規キャラクター達にもそれぞれしっかりと味付けがしてある点が良かったですね。アウラなんかは尺が足りなくてきちんと説明が出来ていない感がありますが、まあその辺は小説等でおいおい説明してくれればなと。
後半は戦闘を見る楽しみ以外にも、小さな人間ドラマが連なっているのがよかったですね。あとは懐かしいBGMのアレンジなんかがちらほらあったのも◎。デスティニー出撃時のBGMがあまりにもズル過ぎました。
一番重要なキラとラクスについて語っていない気もしますが、この二人に関しては特に言うこともないので...。序盤は寝取られシナリオみたいになっていて心がズキズキしました(エロゲー好きとしては楽しめた)が、最終的に二人で愛を叫びながら戦っていてホッとしました。あとは田中理恵さんの演技がめちゃめちゃ良かったですね。流石の一言です。
終わってみると一番の感想はやっぱり「楽しかった」になるのかなと思います。「面白かった」ではなく「楽しかった」。まさにSEEDファン向けの内容でした。おかげでしばらくはSEEDに囚われる期間が続きそうです。