第20位 大阪義体遊 :活動漫画屋(同人)
身体の義体化が進む社会で、全身義体の青年が運命めいた出逢いをしていくというのが主なあらすじ。何というかこう...好きなテーマですね!
描かれているテーマはいたってシンプルなのですが、時たま大きな棘で読み手を刺してきたり、心を揺さぶるようなフレーズをぶつけてきます。総じて非常に味わい深い作品でした。エピローグのデレデレなダルシャさんが超かわいいです。
第19位 戦国†恋姫BRAVE壱 ~四国の鬼若子、長曾我部編~ :BaseSon
新しく始まったBRAVEシリーズということで、正直EXが微妙だった身としては心配の方が勝っていたのですが、原点回帰というか、過去作の良いところが戻っていましたね。
危機的な状況から皆で支え合い、立ち上がっていく様が丁寧に描かれており、読むのが非常に楽しかったです。新キャラも前シリーズとは違い、いい感じに馴染んでいたかなと。
ただ、目が行ってしまうのはやはり美空ちゃんですね。本当にザ主役な立ち回りばかりしてくれて、無印の時以上に好きになりました。
第18位 恋愛弱者な幼馴染少女と恋愛強者な彼女 :Waffle
初めての彼女、妹と彼女等のメインライターを務めた方の新作です。フルプライスではなかったので、そこまで過度な期待は寄せていなかったのですが、自分好みの作品に仕上がっていたかなと思います。
序盤はその健気さから幼馴染の方を応援していたりもしましたが、読み終える頃には一方にしか気持ちが向いていませんでした。自√では勿論、幼馴染√でも大きな爪痕を残していく彼女は紛れもない強者で、溜息が出るほどに魅力的な存在でした。
彼女に出逢えてよかった。
第17位 SEQUEL thirst :リーフジオメトリ(同人)
長らく気になっていたシキノワが舞台なだけあって、止め時が見つからなくなるほどに熱中しました。過去作で大好きだったナズナは勿論、新キャラも好印象な者達が多かったですね。中でもプリムと存子はかなり自分好みのキャラでした。
存子はきっと誰もが涙しそうになるエピソードを拵えていますし、プリムは...ナズナと会話している時のド畜生っぷりがたまらかったです(ナズナちゃんが不憫かわいい)。
第16位 アマナツ+ :あざらしそふと
止まっていた時間が再び動き出したかのような、違和感のない自然な作りになっていました。メインだと思っていた文化祭より後のパートで沁みる場面が多く、彼女達の愛らしさを再認識すると同時に、作品の良い部分が変わらずに生き続けている事実がとても嬉しかったです。
勿論、無印で推しだった和葉ちゃんは最高にかわいくて、頬が緩みっぱなしでした。デレデレで自分の彼女としての立ち位置に不安を覚えているのがかわいいです。
第15位 SMILE :Wonderwall(同人)
AI兵士に支配された世界で、変わり者の青年(童貞)が仲間を集めて革命を起こすお話です。序盤はギャグチックなトークを楽しむ作品なのかなと思っていましたが、シナリオも良く出来ていて、読めば読むほどに夢中になっていきました。
去年の時点ではまだ未完成で、今回完成したということでやってみたのですが、かなり面白かったです。あまりやっている人を見かけなかったので、もっと広まってほしい作品の一つです。最初から最後まで明るく楽しく爽快な物語でした。
第14位 新宿葬命 :G-MODE
序盤は若干殺伐とした印象を受けましたが、読み進めていくうちに人の温かさ、優しさに触れる時間が増えていきます。振り返ると本当に良い人物たちに囲まれた作品でしたね。
また、ねこねこ過去作に通ずる要素も散りばめられていて、笑みを浮かべてしまう瞬間もしばしば。ファン故に気付ける部分があるというのは少し残酷でもありますが...超嬉しい瞬間ですね!
第13位 双天†恋姫 -至源の王- :BaseSon
恋姫シリーズの最新作。AXLで有名な瀬ノ本センセが参加している作品です。この作品を万全の態勢で迎えるために、恋姫シリーズを一から全てプレイしました。
終わってみればとても優しいお話でしたが、緊張が走る時間や心躍る展開も存在しました。総じてそれなりに満足のいくシナリオだったかなと。キャラクターも恋姫らしく愛着が湧いてしまう子ばかりで、毎度の拠点パートが楽しみでしたね。
第12位 僕の好きな人の好きな人は、女装した僕でした :ensemble SWEET
男の子が女装する作品ではあるのですが、ジャンルのパワーではなく、ヒロインのパワーで読み手を喜ばせてくれるような、凄く自分好みの作品でした。
メインの清佳√は無難に良い出来なのですが、私は千鶴√がとても刺さりましたね。純真無垢な姉弟愛があまりにも美しくて、ラストのシーンでは彼女と共に涙を流すことに...。姉弟モノが好きな人に是非やってもらいたい一作です。
第11位 鏖呪ノ嶼 :CLOCKUP
おっさん同士で私利私欲を押し付け合う様が非常に面白かったです。呪術で戦う作品は結構好きなので、聞いたことのあるワードがポンポン出てくるのも気持ちが良かったですね。
中盤まではおっさん劇場を楽しんでいた感がありましたが、物語を読み終える頃には主人公とヒロインの関係に夢中になっていました。最終的な着地点も含めて満足のいく作品でした。
第10位 カゲヒナタノ詠 :ゆうやけフォカマイユ(同人)
小説家を目指す少年と不思議な少女の出逢いを描いた美しい物語です。
人物間で交差する感情の描き方が自然且つ丁寧で、重要な場面では胸に沁みるようなフレーズを用いてきます。全体を通して作り手の表現力の高さを感じる作品でした。
ほろりと泣ける素敵なひと夏をありがとうました。こういった作品とパッと出逢えたりするからコミケは最高です。
第9位 ホーリーアンデッド :キネティックノベルス
なろう系な感じで序盤はどうかなぁ...と思いながら読んでいましたが、めちゃめちゃ面白かったです。正直こんなに楽しめるとは思っていなかったですね。
大きな盛り上がりや感動の場面こそないですが、主人公が最初から最後まで好印象なキャラクターでいてくれるので、ただ読み進めているだけで楽しい。
圧倒的な美貌を武器に好き勝手やっていく感じが自分好みでした。内心で愚痴っている時なんか最高です。原作はまだまだ続きがあるとのことで、続きもぜひノベルゲームで出してくれると嬉しいです。
第8位 紬の花嫁 :Hending
女の子同士のイチャふわな作品かなと思いきやそんなことはなくて、しっかりと読ませる物語でした。
二人の百合模様を見ているだけでも十分に幸せなのですが、話のキーとなる吐瀉丸が本当に素晴らしいキャラクターでしたね。読めば読むほど彼のことを好きになるし、造形が完璧と言っていいほどに自分好みのキャラクターでした。
幕を下ろすまでの流れもかなり好きで、涙を零しそうになったほど。
実に良い作品でした。
第7位 飢えた子羊 :Zerocreation Games
中国から出た作品で、売られ行く四人の娘と共に旅をし、決断をしていく物語となっています。
人身売買や人肉食など、かなりダークな要素を取り込んだ作品ですが、妙にリアリティがあって、良い意味で日本の作品とは違いました。また、それらがマイナスになることはなく、むしろ物語に説得力を与えていました。
結末が複数用意されている点が素晴らしくて、色々な意味で自分はそこに救われました。BADが良いんですよねぇ。
第6位 For the GHOSTs :原産国(同人)
虚構のキャラクターたちと、現実のあなたが交わることで生まれる、ビジュアルノベルゲームです。
ストーリーを読み終えて最初に生まれたのは喜びであり、こんなにも温かな作品に出逢えたこと事実がまずは嬉しかったです。どこまでも優しくキャラクター想いな話作りが好みで、読み進めるほどにあの世界の虜になっていくんですよね。
特にAcrylちゃんのキャラが刺さりすぎて後半は大変でした。彼女の口から出る一言一言が沁みます。
第5位 プリマドール 無名典礼 :Key
不器用な帝国軍人と天然で世話焼きな自律人形の出逢いを描いた作品です。手ごたえが良かったので、まあ年末まで上位に残るかなとは思っていましたが、結局ベスト5に残りました。
最初から最後まで二人のお話であり、双方共に魅力的だからこそ面白く、美しい余韻が残った。不純物の織り交ざらない、ただひたすらに自然な物語を読ませてくれたことに感謝です。
第4位 アウラルと光の竜 ~Gathering Light~ :みむいむ(同人)
アルラウネの娘が他種族たちと手を取り合いながら世界を救うお話です。
点と点が繋がり、やがて大きな輪になっていく光景が丁寧に楽しく描かれていて、旅が終わる頃には大好きな作品になっていました。本当にどのキャラクターも魅力的で、彼女らと過ごした時間はまさしく宝物でした。
何といっても主人公のアウラルちゃんが良いキャラしていましたね。特に終章の仲間たちに向けた演説は印象深く、彼女こそがリーダーでよかったと心の底から思いました。彼女というキャラクターに出会えたことが誇りにすら感じます。
第3位 たねつみの歌 :ANIPLEX.EXE
同人の方でずっと追いかけていたライターさんがシナリオ担当を務めるということで、本作の制作が発表された時から喜びの海に呑まれそうになっていました。
物語は序盤から読み手を虜にする要素ばかりで、亡くなった母親と冒険に出るという導入だけでも気になって仕方ないのに、それが親子三代の冒険になりましただなんて言われたらもう...。
で、三人も仲良しこよしの状態にから始まるわけではなく、微妙にズレが生じているのもお約束というか、約束された勝利の導入というか…とにかく彼女たちの会話劇を見ているだけで楽しかったです。
ただ待っていたのにこんな物語に触れられた。そういった意味でも、本当に贅沢な体験をさせてもらったと思います。作品作りに関わったすべての人に感謝。
第2位 もんむす・くえすと! ぱらどっくすRPG 終章 :とろとろレジスタンス(同人)
ついに発売されたもんむす・くえすとぱらどっくすRPG終章。その出来栄えは...高いハードルもポーンと飛び越えていってしまうようなものでした。
まずボリュームがとんでもないのですが、ボリュームだけでなく、お話の方までしっかりと血と熱が注ぎ込まれているから凄い。
嬉しいのが最終章で、最後だからひたすらにシリアス...ではなく、これまで築き上げてきたものを大切にしつつ、最終章に相応しいシナリオを用意してくれた点が素晴らしかったです。自分の贅沢な要求にもしっかりと応えてもらったような、そんな感覚でした。
第1位 久遠の彼方 :信馬鹿(信じた馬鹿が俺だった)(同人)
上半期から変わらず1位はこの作品でした。
やっぱり個性の塊がそれぞれ違う方向に動き回る感じがたまらなく好きです。物語が進むごとに皆が団結どころか、新しい敵対勢力が登場したり、裏切りが発生したり...そうやって一生戦争が終わらないのですが、それでも最後はこの楽しい物語を見届けることができて良かったなと思うはずです。
ゲーム性は過去作以上に入りやすいので、この手のSPRGに手を伸ばさない方々にも触れてみてほしいなと思います。
<終わりに>
11月時点だとワンツーが圧倒的な感じでしたが、そこの争いに食い込んでくるたねつみは流石といったところ。来年も12月までしっかりやらないとランキングが組めないような、素敵な年になることを祈っています。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
元気があれば来年もランキングを作りたいと思います。